2022年10月19日(水)〜24日(月)までの6日間、新宿の伊勢丹6階催事場で行われた「サロンドパルファン」。
昨年は感染症対策の一環も兼ね、1階で開催されましたが、今年は3年ぶりに催事場での開催です。
わたしは香水歴もまだ浅く、サロンドパルファン(以下:サロパ)に参加するのは昨年が初めてだったので、催事場で行われるサロパがどんなものなのか、期待に胸を膨らませていました。
結果、3日間参加したのですが、とっても楽しかったです!
3日目には在庫0!便利だったムエットケース付きパンフレット
今回のサロパを支えてくれたのが、このパンフレットでした。
入口のご自由にお持ちくださいコーナーに平積みされていたパンフレット。中を開くとムエットを6個入れることができるようになっています。
正直なところ「6個じゃ足りない!」というのが本音ではありますが、パパッとopp袋を取り出せないときには一旦このケースにしまって…ということができたので、とても便利でした。
3日目にはすっからかんになくなっていたので、参加者もわたしのように便利に感じていたのではないでしょうか。
このパンフレットは来年開催時にも引き継いでほしいです。
パンフレットの裏側にはサロパの案内図が記載されていました。伺ったところに紫のマーカーを引いてみましたよ。特に印象深かった5つのブランドを振り返ってみようと思います。
創業者の大沢さとりさんがムエットを配る対応まで!「パルファンサトリ」
会場を入ってすぐのところに位置したいた「パルファンサトリ」。
2022年が初出店となるパルファンサトリは、創業者であり調香師でもある大沢さとりさんが自ら店頭に立ち、列を並ぶ参加者にムエットを渡していたことが印象的でした。
事前にさとりさんが参加する日は公式Twitterで告知されていたものの、告知されていない日まで姿を発見!現に、わたしが初参加した日も告知がされていなかったのですがいらっしゃったので思わず列へGO。
行列はエレベーター付近まで続いていたものの、思いのほかスイスイと進み、あっという間にさとりさんとご対面です。
わたしにとって調香師はもはや雲の上の存在。神の域といっても過言ではありません。
初めて目の当たりにしたさとりさんは、物腰が柔らかく、絶えず列が増え続けているというにも関わらず終始穏やかな口調で接してくれました。感激して手汗が止まりません。
さらに、さとりさんが店頭にいる日に限り、購入するとサインを入れてくれるサービスも開催。
もちろん購入し、名前入りのサインをいただいてきました。
※サインは日付か自分の名前かを選べたのですが、もちろん名前にしました。だって神だもの!
パルファンサトリは今年が初出店かつ、店舗が六本木のサロンのみということもあり、開催前から注目を集めていたようです。3日間観察していたのですが、終日列が途絶えることはなく、常に行列を作っていました。
店員さんの対応もさとりさんと同じく穏やかな方が多いように思えて、すごく良かったです。来年も出店してくれることを願います。
渡辺さんの和装姿と気さくな人柄が印象に残る「サノマ」
「サノマ」も2022年が初出店のメゾンです。
サノマも店頭にはディレクターを務めている渡辺裕太さんが立ち、自ら接客をしていました。渡辺さんはサロパで唯一和装姿だったのが素敵で。シックな黒い羽織に大きなパールのピアスキャッチがとてもよく印象に残っています。
直接ブランドのコンセプトや香水のストーリー、裏話を聞くことができるのがサロパの醍醐味かもしれません。
サノマでは渡辺さんに接客を受け、新作であるお香と乙女を購入しました。
お香は事前情報で気になっていたのですが、お話を聞くとかなり試行錯誤があったそうで。
はじめ、鈴虫をお香に練り込んだらあまり香りが立たず、求めていたドライさもあまり出てこなかった。そのため、鈴虫をベースに桂皮や安息香を加えることで、ドライさもしっかり感じながらもモダンな香りに近づけたと言います。
なんと、試行錯誤を繰り返すこと10回以上!かなりのこだわりを感じます。
正統派なお香として販売するならばドライなままでもよかったのかもしれない。ただそれではçanomaとして商品を出す意味が薄れてしまう。だから、今回の「お香 1-26」は、適度にドライさを抑えつつ、お香らしさをしっかりと有した、クラシックな側面を持ちながらもどこかモダンなものに仕立てた。
渡辺さんも、さとりさんと同じく物腰が柔らかく、気さくな方だったのでとても話やすかったのが印象に残っています。ブランドに対する真摯さはしっかり感じられて、お香のことを尋ねるとかなりしっかりお話ししてくれたことがとても嬉しかったです。
ちなみに渡辺さんもサインをしてくださり、(2日目にして気づく失態)ちゃっかりいただいてきました。
渡辺さんはご自身のことをあまり有名ではないとおっしゃっていたのですが、香水沼界隈では有名ですよ!と声を大にして言いたかったのも事実です。多分渡辺さんが思っている以上に有名人だと思います。
初めての神対応を受けて感動した「ディプティック」
これまで数回ディプティックには行ってきたのですが、悲しいことにどの店舗でもかなりあっさりとした対応しか受けてきませんでした。
もしかしてお仕事楽しくない…?と思ってしまうほど香水に対しての愛が感じられず、寂しい気持ちでお店を去ることが日常となっていたのですが、今回のサロパでふらっと立ち寄ってみたところ、男性店員さんがものすごく気さくでびっくりしてしまいました。
限定のオーローズは購入しなかったものの、違う香水を買ったときも穏やかに接客してくれて、ずっと笑顔で買い物することができたのがすごく嬉しかったです。
ただ香水を買うだけならオンラインでも良いのですが、香水を買う楽しみって店員さんとのやりとりの中にもあると思っていて、店員さんが思う香水の情景をその人の言葉で聞くことで新たな発見があったり、この香りが好きならこの香りも好きなのでは?と提案されるとどんどん視野が広がって、その瞬間がとても楽しいんですよね。
香水はそんなやりとりをしながら購入したいので、今回ディプティックで笑顔で買い物ができたのはとても嬉しいことでした。
残念だったことは、その方の名前を忘れてしまったこと。
どの店舗に勤めているのかお聞きできたら次もお店に行けたのに!
絵画のように色づくムエットが素敵「メゾンクリヴェリ」
こちらも初出店のメゾン「メゾンクリヴェリ」。日本にも初上陸だそうで、終日列が途絶えませんでした。3日目(土曜日)には折り返し地点ができていたほど!
わたしはちょうどよく列が切れた瞬間に立ち会えたので、ゆっくり説明を受けることができました。
メゾンクリヴェリのすごかったところは、なんといっても色づくムエット。
クリヴェリはどの香りもすごく良かった…
— ハナダユミコ(gigi) (@gigi_i_purple_u) 2022年10月21日
色づくムエットも素敵で、思わず動画撮影してしまいました(許可済みです) pic.twitter.com/O97ls57bId
シュッシュッと吹きかけるとじわじわと色づくムエットが美しすぎて思わず動画を撮影です。
香りもフローラルとウッディの4種類試させてもらったのですが、どの香りも癖がなく、場所を問わずつけやすそうな印象でした。個性たっぷり上級者向けというよりは、間口が広く、初めて香水をつける人でも付き合いやすいというイメージです。お値段はあまり可愛くありませんが、ファーストフレグランスにも良いかもしれません。
香水ひとつひとつにストーリーがあり、深く香りを吸い込みながら色づいた絵画のようなムエットを眺めていると吸い込まれるように物語へ入っていけそうな雰囲気があります。
まさかの来日 ジャン=クロード・エレナ氏「ルクヴォン」
今回のサロパで最も印象に残ったのが、香水界の巨匠とも呼べる調香師 ジャン=クロード・エレナ氏の来日でした。
エレナ氏といえばエルメス初となる専属調香師を務め、ガーデンシリーズを創り上げたことでも知られていますよね。齢70を迎え、一度は調香師を引退したものの、再び香水を作りたいという思いから復帰。現在は娘のセリーヌ氏と同じアトリエで調香を調香を行っています。
香水界の巨匠が来日というだけでも驚きなのに、限定16名でのトークショー(無料)と、ルクヴォンの香水購入者へのサイン会も開催という、ドッキリかと思う企画に思わず腰を抜かしました。
もちろんトークショーは時間きっかりにサイトへ行き参加をもぎ取り、サイン会も参加してきました。トークショーへの参加券はわずか15分で完売!恐るべし巨匠…
トークショーは16名という少ない人数での開催でしたが、立ち見もOKとのことで、振り返ると後ろが見えないほどたくさんの人が押し寄せていました。
初めて目の当たりにするエレナ氏は、とてもお茶目な人という印象があります。
時たまこぼす微笑みに何度ノックアウトされたことか!
トークショーでは、ルクヴォンの説明から、シリーズごとのコンセプト、新作のムエット試香、自身のトランクから香料を取り出し、ちょっとした調香体験もできて本当に楽しかったです。
約45分のトークショーが終わり、帰り支度をしていたところ、エレナ氏を取り囲むようにして写真撮影タイムがスタート。わたしもちゃっかり参加してしまいました。
見てください、このお人柄の滲み出たお顔…。
肩をぎゅっと抱き寄せてくれて死んでしまうかと思いました。
このあとには握手も応じてくれ、本当に死を意識しました。
エレナ氏の手はとてもガッシリしていて暖かく大きく、包み込むようにぎゅっと強く握ってくれて…思い出すだけで昇天です。
サロンドパルファンの振り返り
3日間参加したサロンドパルファンですが、全日とても楽しかったです。
店員さんの対応も良かったように思います。一部店舗では忙しすぎたのと、新人さんだったこともあって「おや…?」と思うこともあったのですが、同じ人間ですしね。そういうこともありますよね。
あと強いていえば、催事場がもう少し広ければもっとゆったり見ることができたのに…というくらいでしょうか。そこはしょうがないと思うのですが、コロナ禍から香りものに興味を持った方も増えているのも事実。今年のサロパは過去最大の売り上げだったそうじゃないですか。来年開催することがあれば、ぜひもっと広い会場で…!と切望せざるを得ません。