今回の記事は中村明日美子先生のBL(ボーイズラブ)作品「同級生」について香水を交えて熱く語っています。BLが苦手な方はブラウザバック推奨です。
BLというジャンルに触れて早10数年。 腐女子であれば一度はこの作品に触れたことがあるのではないでしょうか。
そうです。 中村明日美子先生の「同級生」です。
同級生のあらすじと、わたしが出会うまで
まずは同級生のあらすじと、わたしがこの作品に出会うまでを語って行こうと思います。
香水について知りたい方は飛ばしてください!
高校2年の夏。草壁光(くさかべ ひかる)は合唱コンクールの練習中に隣で歌う佐条利人(さじょう りひと)が口パクをしていることに気づく。 ふたりは同じ高校、同じクラスに通う生徒であったが、軽音楽部で金髪、制服を着崩す草壁と、頭脳明晰で優等生な佐条はこれまで接する機会がなかった。 草壁は、佐条はきっと歌なんてくだらないことだと思って手を抜いていると思っていたが、その日の放課後、教室にひとり残って歌の練習をしている佐条を見つける。 実は佐条は歌が苦手であり、ほかの生徒の邪魔にならないよう控えていたのだ。 そのひたむきな姿に心惹かれた草壁は、佐条の歌練習に付き合うようになる。 ふたりきりで時間を過ごすごとに、お互いが惹かれあっていき、合唱コンクールの当日、ふたりはとうとう唇を重ねる。ひっそりと交際を始めるようになった。
「同級生」はシリーズ化しており、彼らの卒業までを描く「卒業生」、学校の先生と彼らの後輩とのやりとりを描く「空と原」、スピンオフの「O.B.」、そして完結作となる「blanc.」の全8巻が登場。完結した現在は、ピクシブコミックで草壁と佐条の日常「ふたりぐらし」も連載されています!
2016年には彼らの高校3年生の夏までを描く映画も公開され、わたしはここでこの作品を深く知ることになります。
遅ればせながら映画から入り、衝撃を受けたわたしは漫画を一気買いし、一気読みし、涙をボロボロとこぼしながらズブズブと彼らの沼にハマっていきました。とても進行が早い沼でした…。
痛ネイルデビューキメてきました!
— ハナダユミコ(gigi) (@gigi_i_purple_u) 2021年4月5日
中村明日美子先生の同級生シリーズ「blanc」の草壁光と佐条利人です。クオリティ高すぎてすごいしか言えなかった。
こっそり忍ばせてもらったハートのホログラムがポイントです。ほかの爪は結婚式をイメージしたシルバーラメのグラデーションにしてもらいました pic.twitter.com/ind43aMy8I
思えば、痛ネイルのデビューも同級生でした。
そんな同級生が、2021年春、プリマニアックスとコラボした香水を販売しました。
ここぞとばかりに購入です。そして、「セレスシネマ」でも映画同級生の草壁と佐条の香りをオーダーしたので合わせて紹介して行こうと思います。
現在は「セレス推し活」へと変わっています。
プリマニアックスの「同級生」フレグランス
「同級生」のフレグランスは、数々のアニメ作品とのコラボ香水を販売するプリマニアックスから登場しました。 プリマニアックスの公式サイトはこちらから(※アフィリエイトリンクではないのでぜひお気軽に)
草壁光の香水は爽やかなシトラスノート
コンセプトは「まばゆく輝く純粋な想い 陽だまりのようなライトシトラスノート」。
開幕、弾けるようなフレッシュなレモンに、みずみずしいウォータリーノートが重なった爽やかな香りの立ち上がり。
そこから次第にフローラルの柔らかさや、包み込まれるような温かみのある木の香りが次々と顔を出し、爽やかさの中にも優しい雰囲気を纏った香調です。
それはまるで、佐条と出会って初めての「恋」を知ったときの草壁の心情のよう!
同級生とは切っても切り離せないレモンソーダのように、シュワシュワと弾ける恋心と、繊細な佐条の支えとなるしなやかで包容力のある草壁の人となりがよく出ているように思いました。
そして、ラストノートに「タバコ」が入っているのも見逃せません。
実際にタバコのようなスモーキーな香りを感じることはできなかったのですが、香料として入っている事実だけで震えました。
佐条利人の香水は清らかなムスキーノート
コンセプトは「心に差し込む澄んだ光 清らかさに満ちたクリーンサボンノート」。
つけたてからふわっと広がるのは、洗い立てのシャツのような清らかなムスキーノート。
爽やかさの中にも、ラベンダーやローズマリーなどのハーブが入ることで、柔らかくなりすぎない、キリッとした印象を残します。
ノリの効いた洗濯物のように思わず背筋が伸びるソーピィーなアコードは、次第に優しいフローラルノートへと移り変わり、ラストには消えゆくようにほのかに木の香りがしなやかに存在するのです。
トップからラストまで「ムスク」を強く感じたのですが、実は原作者である中村明日美子先生が「佐条はムスクがいい」という要望があったようです。
佐条利人はブルーのラベルデザインがクールなクリーンサボンノート。几帳面な彼らしい石鹸の香り。ムスクがいいなと言ったのは私です。どこか近寄りがたさもあるけれど惹きつけられてならない、そんな香りです。[中] pic.twitter.com/hiJ5VGQz5H
— 中村明日美子お知らせ(公式) (@asmk_gengaten) 2021年6月8日
石けんのようなムスキーノートは、大まかに2種類に分けられると思っています。
ひとつはクロエやグロウバイジェイローのような「フローラル」がメインの香り、ふたつめはクルジャンのアクアユニヴェルサリスや、バイレードのブランシュような「水」を感じさせるやや冷たさのある香りです。
佐条の香水は、ふたつめに挙げた、水を感じさせるやや冷ややかな香りに近いと思います。
トップノートで感じたキリリとしたムスキーノートは、一見近寄りがたい佐条にかなりぴったり。
ミドルから顔を見せる柔らかなフローラルは、佐条の繊細な内面を表現していると思いました。
草壁と佐条の香りを重ね付けするとレモンとサボンノートが調和したひとつの香りへ
これはもうみんな行うであろう、ふたつの香水の重ね付けももちろんしてみました。
草壁の香水を左手に、佐条の香水を右手にワンプッシュずつ振りかけ、ポンポンと馴染ませていくと、草壁の香水の1番の特徴であるレモンが最初にふわっと漂い、時間が経つにつれて佐条の香水のサボンノートと調和して、爽やかかつ、ほのかに温かみのある香りへと変化していきました。
まるでひとつの香水だったかのように錯覚してしまうほど、見事な調和です。
プリマニアックスさんは、もしかしなくてもこのふたつを重ねてつけたときのことも考えて調香したのかもしれませんね。
どちらもマスキュリン(男性的)な香りではありますが、女性がつけていてもあまり違和感はないかなと思います。 あまり香りは強くないので、普段から香水をあまりつけないという方でもつけられるのではないでしょうか。
セレスシネマで注文した「同級生」イメージフレグランス
さて、続いて、セレスシネマで注文した映画同級生のイメージフレグランスの紹介です。
草壁光「コロニアプーラ」/アクアディパルマ
草壁をイメージした香水は、Acqua di Parma(アクアディパルマ)の「Colonia Pura」コロニアプーラでした。
開幕、初恋を思わせる炭酸のようなフレッシュなシトラス!
アクアディパルマらしい立ち上がりです。
次第に、包み込まれるようなホワイトムスクに、シダーが温かみを加えていき、心地よく安心する香りに落ち着きます。
プリマニアックスの香水と同じく、レモンがベースの香水でしたね。
やはり草壁とレモンは切っても切り離せない存在なのかもしれません。
シトラスがベースですが、鼻から喉へ抜けていくときにはホワイトムスクやオゾンノートがメインとなっているので、シトラスのツンとした印象は一瞬で、すぐに柔らかな香りへと変化していきます。
「優しさ」や「包容力」という言葉がぴったりな、爽やかだけどどこか落ち着く香りです。
佐条利人「ジュニパースリング」/ペンハリガン
佐条をイメージした香水は、Penhaligon’s(ペンハリガン)のJuniper Sling(ジュニパースリング)でした。
あくまで主役はジュニパーなんだけど、深く香りを吸い込むと、シナモンの甘さや、ペッパーの少しピリッとしたスパイスがランダムに顔を見せます。
いろいろな香料が瞬時に切り替わるように登場する、とても複雑な香りです。
爽やかではあるんだけど、スパイシーな部分も強くあるので、芯は通っているけれど、繊細で複雑な面がある利人らしい香りだと思います。
ここで注目したいのがラストノート。
スパイシーなジュニパーが、ラストにはほんのり甘さを持った香りへと変わるんです。
まるで愛し合ったあとのふたりのように!
愛を知った佐条の心情のように。 チェリーが入っているところも見逃せませんね。 トワレなので、香り自体はとても控えめ。
朝つけてもお昼頃にはほとんど消えてしまうので、自分だけ密かに香りを楽しみたいときや、寝るときに使うようにしています。
草壁と佐条の香りを重ね付けすると大人になったふたりを垣間見ているような香りへ
もちろんこのふたつも重ねづけしました。
同じく草壁の香水を左手に、佐条の香水を右手にワンプッシュずつ振りかけ、ポンポンと馴染ませていくと、レモンとジュニパーが同じ力量を持って主張してきます。
プリマニアックスのときと比べると、やや大人な印象です。
時期で言うと、同級生よりblanc.の頃でしょうか…。
大人になったふたりはきっとこんな香りなのでは…と思わせる雰囲気です。 レモンをはじめとしたシトラスをベースに、ジュニパーと数々のスパイスが重なり合い、複雑に絡み合います。 ラストにはピリリと刺激的なスパイスは消えゆき、柔らかなムスキーノートへ。とても心地の良い締めくくりです。
おわりに
キャラクター×香水はとても相性が良いと思っています。
オタクは公式グッズよりも何よりも「概念」を探す生き物だと思っているので、少しでもキャラクターを身近に感じられるアイテムとしても香水はかなり最適なのではないでしょうか。
今回まさか公式で香水を出してくれるとは夢にも思っていなかったので(しかも中村明日美子先生も携わっている!)、こんな最高なことはありません。
公式でも概念でも草壁はレモンの香水なのはとても面白かったですし、佐条は佐条でまた違った香りだったのもとても良かったです。 同級生は一旦完結しましたが、これからのふたりもまだまだ応援していきたいと思っています。草壁と佐条に光あれ!