以前から気になっていたエルメスフレグランス。
「李氏の庭」に出会って、ファッション系フレグランスの魅力に気づき、そこからジャン=クロード・エレナの創り出す香りへと惹き込まれていきました。
でも、わたしにとってエルメスはかなり敷居が高い。
二の足を踏んでいたところに、エルメスでは15mLのミニアトマイザー4本で16,720円という破格のセットがあると知り、早速銀座のエルメスへと足を運んでみました!
エルメス「ノマド4本セット」
こちらが「ノマド4本セット」(16,720円 税込)です。
1本につき15mLのミニアドマイザーになっており、手のひらにすっぽり収まるコンパクトサイズ。
エルメスのトレードマークのオレンジカラーボックスに、ひとつひとつ手作業で入れられた布製の小袋が嬉しいです。
公式HPでは「大切な人へのプレゼント、あるいは自分へのご褒美に。」と記載されていました。なんだかいいですよね。
ノマド4本セットで選べる香水
ノマド4本セットは、全てのエルメスフレグランスから選べるというわけではなく、決められたものから4本選ぶことができます。
シリーズだと「ガーデン(庭)シリーズ」「オードゥシリーズ」「ツイリーシリーズ」は全て選ぶことができるようでした。
店頭では、ひとつひとつ丁寧にカウンセリングと試香をしながら選んでいきます。
選んだのはこの4つ
悩んだ上、わたしが選んだのはこの4つ。
それぞれ順を追って感想を書き連ねていきます。
①ツイリー ドゥエルメス オージンジャー
本国表記:Twilly d'Hermès EAU GINGER
発売年月日:2021年7月15日
調香師:クリスティーヌ・ナジェル
ツイリーオージンジャーは、エルメスを代表するツイリーをボトルに巻きつけた、若い女性に向けたフレグランス。
いたずらっぽいかと思えば次の瞬間には戸惑うほど魅惑的に。陽気で、弾けるように輝く、自由な若き女性に。
それは、スカーフをとってもおしゃれに纏うエイミーワインハウスのように。
型破りで新鮮な使い方ができる、新時代を生きる若者へ向けたエルメスフレグランスとなりました。
調香師のクリスティーヌ・ナジェルは、フレッシュな香りを作るにあたり、ジンジャーの使い方にものすごくこだわったと言います。
ジンジャーは入れ過ぎてしまうと石鹸のような香りになってしまうことに悩んだ末、彼女が思いついたのが新鮮なジンジャーでした。
乾燥させたものではなく、まだ新鮮なジンジャーを使うことで、若々しいパワフルに溢れたフレッシュな香りになるそうです。
このジンジャーに、砂糖のような甘さをプラス(プラリネやバニラはあえて使わないところがエルメスらしいところ)し、ピオニーのフローラルで品の良さを加えています。 スプレーすると、たちまち軽やかなピオニーのブーケにフレッシュでほの甘いジンジャーがとびきりフレッシュ!
チュベローズを使用したツイリードゥエルメスと比べるとより軽やかです。
日差しがガンガン照りつける暑い暑い夏につけたくなるようなフローラルグルマンでした。
②李氏の庭
本国表記:LE JARDIN DE MONSIEUR LI
発売年月日:2015年4月1日
調香師:ジャン=クロード・エレナ
わたしがノマドシリーズに最初から入れようと決めていたのが李氏の庭でした。
李氏の庭(リー氏の庭と読みます)は、ジャン=クロード・エレナが中国を訪れたときに感じた数々の庭園と、彼の想像上の庭を掛け合わせて製作されたフレグランスです。
池の匂い、ジャスミンの香り、湿った小石の匂い、スモモや金柑の木、巨大な竹林の香りを、記憶をたどって思い浮かべると、すべてがそこにありました。池の中でゆったりと百年の時を経てきた鯉までもが 《李氏の庭》は驚きがあって心惹かれ、感性を目覚めさせる庭。
スプレーした瞬間、みずみずしい金柑がふわっと広がり、次第にジャスミンの芳しくも繊細な香りが重なり合います。
とても心地の良い香り。
ガーデンシリーズの中でも一番癖がない香りだと思います。
ガーデンシリーズはまだ香水文化の根付いていないアジア圏に向けて製作された香水ということもあり、香り立ちはとても穏やかです。
湿気の強い日本の夏でもつけていて香り酔いせず、そこがアジア圏でも最も愛されるエルメスフレグランスの秘訣なのかもしれません。
③H24
本国表記:H24 Hermès
発売年月日:2021年3月1日
調香師:クリスティーヌ・ナジェル
ノマドシリーズの中で、個人的につけていて最も心地よいと感じたのがH24でした。
H24は、エルメスの描き出す男性のイメージから生まれた新しいフレグランス。
エルメスの中ではメンズフレグランスに分類されていますが、香水に性別はいらないと答えているクリスティーヌ・ナジェルの意思を汲み、ユニセックスフレグランスだと思ってつけています。
香水に性別はいらないという考え、とても素敵ですよね。
H24をシュッとひと吹きしてみると、マンゴーやバナナのような南国のフルーツのフレッシュな香りに優しく包まれます。
時間が経っていくにつれ、フルーツにメタリックを纏ったクラリセージや水仙のグリーンノートが重なり、マスキュリン(男性的)なひととき。
男性的ではありますが、ワイルドというよりは、清潔感と教養のある品を兼ね備えたリッチな男性の香りです。
H24のイメージは、個人的一押しで最近ハマっているアメリカンホラーストーリー(以下AHS)に登場するコーディファーンでした。
彼を初めて観たのはAHS「黙示録」でのマイケル・ラングドンでしたが、整ったお顔立ちに透き通るような淡い青い瞳に思わず吸い込まれそうになってしまいました。彼、とってもセクシーです。
話が逸れてしまいましたが、H24はとても控えめな香り立ちなフレグランスなものの、数時間経っても程よい香りがずっと肌に残っているのが面白いところだと思いました。
それがとてつもなく心地良いのです。 H24は、その名の通り、24hour(24時間)つけていてもストレスがなく、肌にしっくり馴染む現代的なフレグランスです。
④ジュールドゥエルメス
本国表記:Jourd'Hermès
発売年月日:2013年
調香師:ジャン=クロード・エレナ
あと一本のところで迷っていたときに勧められたのがジュールドゥエルメスでした。
「ジャン=クロード・エレナで一番甘い香りはありますか?」
と尋ねたときに渡された香水です。
女性らしさの本質を花だけで表現したかったのです
ジャン=クロード・エレナの香水を嗅ぐとミュシャの繊細な絵を思い出す
ジャン=クロード・エレナといえば、お花の自然な甘さと柑橘を品よく調香することに長けている調香師さんだと思っているのですが、この香水も柑橘とフローラルの調和が纏っていてとても心地よく、上品に香るので嗅いだ瞬間から気に入ってしまいました。
はじまりはジャン=クロード・エレナらしいみずみずしいシトラス。
そのあとから少しずつ、青みを帯びたフローラルムスクがふわふわと顔を出し、思わず背筋がピンと伸びるようなリッチな香りに包まれます。
ジュールドゥエルメスはドバイの一流ホテルのアメニティにも使われている香りだと聞きました。
そのせいか、ターゲット層は若者より大人に感じます。 カジュアルにつけても良いですが、個人的には落ち着いた服装のときにつけたくなる香りです。
今回尋ねたお店「エルメス銀座店」
銀座駅から徒歩約1分、有楽町駅からは徒歩約5分の場所にあります。 ビルが大きく、大通りに面しているので迷うことはないかと思います。
エルメスに入店したのは初めてだったのでかなり緊張したのですが、足元を見ることもなく、終始丁寧な接客で楽しくお買い物ができました。 フレグランスコーナーは入ってすぐの場所にあるので、エルメスに初めて入る人でもあまり敷居は高くないと感じました。ぜひ銀座に行く機会があったらお気軽に足を運んでみてくださいね。
エルメス銀座店の詳細
- 住所:東京都中央区銀座5丁目4−1
- 営業時間:11:00-20:00 (日 -19:00)
- 公式HP:https://www.hermes.com/jp/ja/find-store/日本/nocity/エルメス銀座店-EX51G1VS/